借地権は実に不思議な権利です。土地を借りておきながら、返すときには無償で返すのではなくて、地主に対して借地権を買い取ってもらえてしまうケースがあるからです。
一般的には借地権価格は、更地価格の60%程度が多いようです。この場合、底地の価格は更地価格の40%程度ということになります。
もちろん理論的には、借地人の経済活動で値上がりした部分を適正に借地人と地主との間で配分(借地人60%:地主40%)するということですので全く悪いことではないかもしれません。
しかし、人情的な話をしますと、かつて地主に頭を下げて「土地をなんとか貸してください」とお願いをしてなんとか貸してもらった借地人の方のなかには、どこかで地主さんに申し訳ないという気持ちを持っている方も多くいたようです。
賃貸借当初の苦労した時代に助けてもらったという恩義、感謝の気持ちを心のなかにずっと持ち続けていたのでしょう。
ところが時が流れ、世代が変わると気持ちは全く別物になります。
借地権を相続した子供たちの世代には「申し訳ない」という気持ちは薄まり、むしろ「自分たちの権利」として、しっかり意識します。
現在の借地人は、当初賃貸借契約を結んだ借地人ではなく、相続により借地権を引き継いだ子供の世代の方が多いのです。
さらに借地権付建物を購入して借地人になった方もいます。
このような方は、借地権という権利を購入したのですから、借地権に対する権利意識はもっと強いものになります。
借地権・底地の問題解決のための交渉にあたっては、借地人の背景を知ることも必要です。
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