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財産管理委任契約

成年後見制度は、判断能力の減退があった場合に利用できるものであり、任意後見制度は、事前に契約があった場合でもやはり判断能力の減退があり、さらには家庭裁判所により任意後見監督人が選任されて初めて効力が生じます。

財産管理委任契約は、判断能力の問題に関係なく、家庭裁判所の関与も必要とせずに、今すぐ財産管理を開始してもらいたい場合に有効な方法です。

財産管理委任契約の特徴

●当事者間の合意のみで効力が生じる

●内容を自由に定めることが出来る

財産管理委任契約のメリット

・判断能力が不十分とはいえない場合でも利用できる

・開始時期や内容を自由に決められる

・本人の判断能力が減退しても、契約は当然に終了せず、特約で死後の処理を委任することも可能

財産管理委任契約のデメリット

・任意後見契約と異なり、公正証書が作成されるわけではなく、後見登記もされないため、社会的信用が十分とはいえない

・任意後見制度における任意後見監督人のような公的監督者がいないため、委任された人を確認することが難しい

・成年後見制度のような取消権はない

以上のことをしっかりとおさえたうえで、財産管理委任契約の判断をしましょう。

 
この記事を担当した税理士
新日本税理士法人 代表 池尾 彰彦
保有資格税理士(東京税理士会日本橋支部所属 | 登録番号:86848)・宅地建物取引士・財務金融アドバイザー
専門分野相続税及び相続全般、不動産関連
経歴1998年に千葉県浦安市で開業して以来、相続税や相続から発生する不動産関連業務を行っている。書籍の出版や多くのセミナー講師実績がある。
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