取引相場のない株式
1.取引相場のない株式等の評価方式の区分
上場されていない株式の評価方法は少し複雑です。
相続した非上場株式の相続税を計算するためには、まずどの評価方式を使って計算するかを決めなければいけません。
(1)会社の年間取引額や従業員により、大会社、中会社、小会社のいずれかに分類する
(2)大会社は、原則として「類似業種比準方式」により評価する
(3)小会社は、原則として「純資産価額方式」により評価する
(4)中会社は、原則として、大会社と小会社の評価方法を併用して評価する
株主の所有する評価会社の議決権割合に応じて、評価方法が変わります。
2.類似業種比準方式
類似業種比準方式とは、評価しようとする非上場会社と事業内容が類似する業種目に属する複数の上場会社の株価の平均値に、評価会社と類似業種の1株当たりの配当金額、1株当たりの年利益金額、1株当たりの純資産価額の比準割合を乗じて、取引相場のない株式の価額を求める評価方法です。
業種毎の株価や比較要素は月毎に国税庁で公表されています。
3.純資産価額方式
純資産価額方式とは、会社の資産から負債を引いた分の額に対して、相続税を課税するというものです。
4.配当還元方式
株式の持ち株割合が非常に低い場合には、上記の原則的な評価方法ではなく、「配当還元方式」という配当金額を一定の割合で還元して株価を評価する方法を採用できることもあります。
配当金額を一定の利率で還元して株価を評価する方法を採用することがあります。
もし、所有する株式の持ち株割合が非常に低い(15%未満)場合は、以下の計算式により試算しても良いでしょう。
1株当たり資本金額×(直近2年間の配当額の平均÷資本金の額)×(1÷10%)
この記事を担当した税理士
新日本税理士法人
代表
池尾 彰彦
保有資格税理士(東京税理士会日本橋支部所属 | 登録番号:86848)・宅地建物取引士・財務金融アドバイザー
専門分野相続税及び相続全般、不動産関連
経歴1998年に千葉県浦安市で開業して以来、相続税や相続から発生する不動産関連業務を行っている。書籍の出版や多くのセミナー講師実績がある。